DX化が進む中、企業に問われるリスキリングが急務第4次産業革命時代に対して企業の人材に求められるスキルとは第4次産業革命後の社会においては、これまで人が担っていた業務はAIやロボットにより自動化され、それらの業務を担ってきた人材は、より高度な付加価値を必要とする仕事にシフトすることが求められます。今後発生しうる大規模なジョブチェンジに対応するために、企業の働き手がスキルを体得する取り組みが「リスキリング」です。IBMが2019年に発表した調査によると、AIや自動化の影響により、2022年までに、世界の12の主要経済圏では1億2000万人の労働者が、そして日本においては488万4000人がリスキリングの対象となる、と試算されています。コロナが加速させた、日本企業におけるDX化への取り組みビジネスやコミュニケーションにおける急速なデジタル化(DX)により、デジタルに精通した専門性やスキルを持った人材は、世界的に不足しています。特に日本では、2020年のコロナ渦で、企業がDX化を急速に加速させました。2020年8月の帝国データバンク調査によると、日本企業の75.5%がコロナ禍を機にDX施策*を推進した、と言われています。DXに必要な人材の確保に向けて企業が動いて行く中で、外部から採用するだけでなく、社内でもDXスキルを育成する手段としてリスキリングに注目が集まっています。*DX施策 = オンライン会議設備、テレワーク用のリモート設備、ペーパーレス化導入を含む リスキリングは、DXリテラシーだけの問題?企業にとってのデジタル化のインパクトは、従来のコミュニケーションや管理がデジタルに置き換わるだけではありません。DX後の世界における競争力維持の観点から、デジタルをフルに活用した生産性向上への取り組みや、新しいビジネスモデルの開発、付加価値の高いサービスの創出などが求められて行きます。デジタルで活躍するために必要なスキルの定義には、テクニカルな知識や技術の習得もさることながら、それだけではなく、例えばデザインや開発を推進するための問題解決力や論理的思考、あるいはオンラインを前提にプロジェクトを遂行していくためのマネジメント能力、など、ソフトスキルの学び直しも、求められます。デジタルの定義自体が常に変化している中で、変化に向き合いながら、必要となってくるスキルを、時にアンラーンし、必要に応じて学び直す、そして学び続けて行く、といった向き合い方が重要です。知識と同じくらい重要な要素として、学びの手段自体を認識し、目指す学習やスキルの方向に向き合い、自らを推進して行く力(=コンピテンシー)についても身につけて行く必要があると言われています。リスキリングとは、本質的には、いかに「変化に対応して学び続けられるか」という話でもあるのです。 リスキリングがもたらす企業経営へのインパクトリスキリングへの対応が企業としての生産性や競争力にもたらす影響を説明します。人材教育コストの削減社員一人一人に個人の意思で学んで貰うリスキリングが推進できると、従来のトップダウンで教育する階層別の研修に比べて社員のスキルの習得や実践のスピードは、極めて高くなるはずです。社員のスキル習得と実践のスピードに比例して、組織における一人あたりの生産性も高くなります。また社員のリスキリングを通じて組織全体としてリソースの再配置が実現できると、外部採用に比べ、採用コストを抑えた形で人材の確保・育成ができるようになります。リスキリングを通じた適時の育成と人材配置が可能になることで、最終的には新卒採用への依存が減り、全社の人材育成コストの抑止にもつながります。 社員のモチベーション維持および採用競争力の強化学習やスキルアップによる成長の機会は、社員個人の働くモチベーションを上げることにつながります。特にデジタルスキルを獲得した人材は、DXで削減された人的ルーティンワークから解き放たれ、高付加価値型の業務へのシフトを実現できます。これにより社員はよりやりがいを感じられる仕事に携わる満足感を味わうことができ、会社は、人材流出の抑止および人材獲得における競争力強化を実現することができます。組織の生産性と事業競争力の強化企業として、リスキリングによって得られるデジタルスキルでルーティンワークの負荷を減らし、社内リソースを事業の推進に直結するコア業務に再配分することが可能になれば、会社全体としての生産性も格段に高まります。またデジタル活用を通じた新しいビジネスモデルの企画や推進ができるようになることで、事業イノベーションの促進、ひいては企業の市場における競争力自体の強化にもつながります。リスキリングがもたらす企業経営へのインパクトのまとめまとめると、リスキリングへの対応は、採用や教育など組織の課題のみならず、デジタル化する市場における企業全体としての生産性や競争力につながってくるsとても重要な課題であり、それへの企業としての対処が、デジタル化後の市場における企業の繁栄と永続を左右する、と言っても過言ではないでしょう。