オフィスク 編集部
「明日から役立つスキル専門」の企業研修サービス「オフィスク」の公式編集部。実際の研修風景や成果がリアルにわかる「研修実施レポート」をはじめ、社内育成や研修運営に今すぐ活かせる「人事向けTips(ノウハウ)」、他社の動向や最新の「研修トレンド情報」を発信しています。現場の即戦力化と、研修担当者のみなさまの運用の効率化・課題解決をサポートする有益な情報をお届けします。
労働組合セミナー
オフィスク導入事例

労働組合の活動というと、交流会やレクリエーションを思い浮かべる方が多いかもしれません。
そうしたなかで五島市職員労働組合様は、「組合員が一緒に学ぶ場をつくる」という、これまでにない取り組みに挑戦されました。第一弾のテーマは、日々のパソコン作業を確実に速くする「ショートカットキー」。女性部の企画として動き出したこの取り組みは、最終的に親組合を巻き込み、庁内18部署から30名の職員のみなさまが集まる学びの場となりました。
なぜこのテーマだったのか。初めての取り組みを、どのように形にしていかれたのか。企画を担当された女性部長・谷川美樹様にお話を伺いました。
五島市職員労働組合 女性部長 谷川美樹様

ー今回、研修を企画しようと思われたきっかけを教えてください。
谷川様: どの部署も、限られた人数のなかで業務を回している状況です。組合としては当局に人員の要求をしていますし、当局側も採用を頑張ってくださっています。
ただ、それ以外にも何かできることがあるのではないかと考えていました。組合としての新しい取り組みと、実際に現場が抱えている課題。その両方を合わせたのが、今回の研修という形になっています。
ー「学びの場をつくる」という発想は、どこから出てきたのでしょうか。
谷川様: 組合の活動というと、交流会で食事会や飲み会をすることが多くなりがちだと思います。それも大事なのですが、組合員同士でテーマを決めて学び合うというのは、新しい取り組みになるのではないかと。日々の仕事が少しでも楽になるものを持ち帰ってもらえたら、と考えていました。
ー業務効率化にはいろいろなアプローチがあるなかで、ショートカットキーを選ばれたのはなぜでしょうか。
谷川様: 初めての取り組みだったので、組合員がどういうところに興味を示すのか、これまでアンケートを取ったこともなくて、分からない状態だったんです。
AIについては職場でも導入されていて、活用に関する研修ももちろんあります。ただ参加率などを見ていると、AIよりももう少し取り組みやすい、誰でも分かりやすい内容のほうが興味を持ってもらえるのかなと。それでショートカットキーがいいのではないかと考えて、今回リクエストをさせていただきました。
【オフィスク編集部より】 「まず全員が入れる入口をつくる」というこの判断は、結果的に非常に有効でした。研修後のアンケートでは、受講前のスキル自己評価を5段階中「1〜2」と回答された方が、28名中25名にのぼりました。ここに最初の一段を用意したことが、18部署という幅広い参加につながっています。第一弾のテーマ選定に迷われている組合様には、ぜひ参考にしていただきたい判断です。
ー当初は女性部での開催をご検討されていたと伺いました。どのように広げていかれたのでしょうか。
谷川様: 女性部だけでは予算や規模の面で難しいところがあったので、親組合の上の方に直接相談して、承認をいただいて親組合を巻き込む形にしました。
集客については、女性部のなかでチラシを回すだけではなく、女性部長という立場から、なぜ親組合で実施するに至ったのか、その経緯や意義をメールでお伝えして参加を呼びかけました。
ー準備で工夫されたことはありますか。
谷川様: パソコンの手配ですね。最初は自分たちの機器が使えるだろうという想定だったのですが、使えないことが分かって。そこからどこで借りるかというのが、少し悩ましいところではありました。ただ、最終的には参加者全員分、1人1台を揃えることができました。
会場は、結婚式や会議ができるスペースのある観光ビルをお借りしました。
ー準備期間中、不安に感じられたことはありましたか。
谷川様: 準備の中で連絡を取ってくださったこともあって、特に大きな心配はありませんでした。無事に終えられたので、良かったなと思っているところです。
研修には30名の方が参加され、研修後のアンケートには28名(18部署)からご回答をいただきました。結果は次のとおりです。
項目 | 結果 |
|---|---|
総合満足度 | 4.6 / 5.0(「満足」以上が100%) |
講師のわかりやすさ | 「わかりやすい」以上が100% |
業務への活用意向 | 96%(27名) |
受講前後のスキル自己評価 | 平均 2.0 → 2.9(86%が「上がった」と回答) |
特徴的だったのは、「自分のこの業務に使える」という形で、活用イメージが具体的に語られていた点です。
「作表することがあるので、マウス操作より時短になりそうです!」(税務課)
「入札から契約にかかる業務において、書類等の作成時間を短縮できると思った」(財政課・契約管財班)
「値の貼り付けは毎日マウスでしているため、翌日からキーボードで操作したい」(長寿介護課)
「業務効率化の根本的な部分の話を聞いて、まず自分の業務を棚卸ししようと思った」(社会福祉課)
ー参加された方からは、どのような反応がありましたか。
谷川様: 「もう少し長くても良かったかな」という声や、「実践するとなったときの内容も、もう少しあっても良かったのかな」といった感想がありました。
もともと開催時間は、仕事の負担や翌日の業務を考えて、19時頃に終わる短めの設定にしていたんです。ただ実際に受講してみたら内容が面白かったので、もう少し長くても問題なかった、という反応でしたね。
ー登壇した大平先生については、いかがでしたか。
谷川様: 受講前のレベルには、バラつきがあったと思うんです。その中でも先生が配慮してくださって、みんなが分かるような形で講義してくださったという印象があります。
先生ご自身もマウス操作からショートカットキーをマスターされた経験があるとのことで、全くできない人の目線に立って話してくださったのが良かったです。
※ 大平先生ご本人のお話は、記事後半の「【講師インタビュー】登壇した大平知佳先生からのコメント」でご紹介します。
ー最後に、これから同じような取り組みを考えている組合や団体の方に、お伝えするとしたら。
谷川様: 県内の他の組合の方と、女性部長会議という場で意見交換をすることがあるのですが、どういう活動をしようかと考えている方や、活動の幅を広げたいと思われている方がいらっしゃいました。
組合員同士でテーマを決めて学び合うというのは、新しい取り組みになりますし、組合員としても、毎月決して安くない組合費を払っているので、何のために組合に入っているんだろう、というところを改めて考えるきっかけにもなるのかなと思います。
初めての取り組みではありましたが、やってみて良かったなと感じています。
【オフィスク編集部より】 研修後のアンケートでは、89%の方が「学ぶ機会を提供してくれて良いと思った」と回答されています。実務に直結する学びの場は、参加された方のスキルを上げるだけでなく、組合活動そのものへの評価にもつながる。今回の結果は、それを数字で示すものとなりました。

ここまでは、研修を企画された谷川様のお話です。ここからは視点を変えて、当日登壇した講師にも話を聞きました。受講される一人ひとりにどう向き合い、どんな考えで研修を組み立てたのか。オフィスク編集部が伺います。
大平 知佳(おおひら ちか)先生 Excel・業務効率化を専門とする研修講師。「業務効率化を楽しく実践するExcelプロフェッショナル」として、企業・自治体での研修やAIを活用した業務改善支援に携わる。
ー当日は、どのような環境で進められたのでしょうか。
大平先生: 会場のみなさんが1つの拠点に集まって受講されていて、リモート開催だったこともあり、谷川様が間に入って進行してくださいました。「いま手を挙げている方が10人くらいです」と数えて教えてくださったり、会場の様子をスマートフォンで映してくださったり。おかげで、その場の空気を感じながら進めることができました。
【オフィスク編集部より】 今回は、会場にお集まりいただいたみなさまがリモートで受講され、講師は画面越しに登壇するという形でした。「全員が手を動かせる環境を」と条件を整えてくださった谷川様と、その場の状況に合わせて進行を組み立てた大平先生。双方の工夫が重なって、満足度4.6という結果になりました。オフィスクでは、会場・機材・参加人数といった条件に合わせ、研修の進め方そのものを柔軟に設計しています。
ー準備にあたって、意識されていたことはありますか。
大平先生: 事前に「パソコン操作にまだ慣れていない方も多い」と伺っていたので、進行のスピードには特に気を配りました。環境も含めて、どうすれば分かりやすくできるか。そこを一番に置いていました。
ー受講者のレベル差には、どのように向き合われていますか。
大平先生: どの研修でもレベル差は必ずあるものだと思っています。そのうえで、置いていかれてしまう方が出ないようにしたいというのを一番に考えています。
比較的スキルの高い方は、これまでご自身で調べて身につけてこられた経験があるので、ポイントをお伝えするだけでも、ご自身の業務に応用してくださることが多いです。ですから、今まさに困っている方にも分かるようにお話しすることで、結果として幅広いレベルの方に満足していただける研修になると考えています。そのぶん上級者の方には、「参考までに」と実践的なコツを一言添えて、お土産を1つ以上持って帰っていただくようにしています。
ー先生ご自身も、もともとExcelが得意だったわけではないと伺いました。
大平先生: 自分にできないことって、なかなか想像できないじゃないですか。ショートカットキーが使える状態がどういうものなのか、どれだけ速くなるのか、実感が湧かない。だから良さそうだと思っても踏み出しにくいんです。当時の私も、キーボードをカタカタやっている人が特別な人に見えていました。
でも今は、私自身も最初からできたわけではないので、練習すればきちんと身につけられる、ということを実感しています。その経験も含めて、初めて取り組む方の目線に立ってお伝えすることを大切にしています。
ー最後に、受講された方へメッセージをお願いします。
大平先生: 「筋肉は裏切らない」と言いますが、Excelの練習も裏切らないと思っています。1週間でいいので、1日10分〜15分、ショートカットキーの練習を続けてみてください。短い時間でも、毎日続けることで操作はかなり変わってきます。筋トレのようなものなので、ぜひ試していただけたらと思います。
今回の事例で印象的だったのは、「組合として何ができるか」という問いに、実務スキルという具体的な形で答えを出されたことです。
そして第一弾のテーマとして、あえて話題のAIではなく「誰でも分かりやすいショートカットキー」を選ばれた判断。参加のハードルを徹底的に下げるこの設計があったからこそ、18部署から30名という庁内の幅広い層が集まり、満足度4.6という結果につながりました。「まず全員が入れる入口をつくる」という考え方は、初めて研修に取り組まれる組合様にとって、大きなヒントになるのではないでしょうか。
アンケートの自由記述には、「翌日からキーボードで操作したい」「まず自分の業務を棚卸ししようと思った」といった声が並びました。学んだことが、翌日の仕事に直接つながっていく。組合が用意した場が、一人ひとりの働き方を少しずつ軽くしていく。その手応えを、私たちも数字と言葉の両方から受け取ることができました。
オフィスクでは、労働組合様の研修企画を数多くサポートしております。「何から始めればいいか分からない」という段階からでも、テーマ選定のご相談を承っております。
※本記事に掲載している数値は、研修後アンケート(参加30名中28名が回答/18部署、2026年8月27日〜9月1日実施)に基づくものです。
オフィスク 編集部
「明日から役立つスキル専門」の企業研修サービス「オフィスク」の公式編集部。実際の研修風景や成果がリアルにわかる「研修実施レポート」をはじめ、社内育成や研修運営に今すぐ活かせる「人事向けTips(ノウハウ)」、他社の動向や最新の「研修トレンド情報」を発信しています。現場の即戦力化と、研修担当者のみなさまの運用の効率化・課題解決をサポートする有益な情報をお届けします。
現場の負担を、組合の手で軽くする|五島市職員労働組合様のショートカットキー研修活用事例
3回やるなら、仕組みにする|AI時代に「作業」を「仕組み」へ変える考え方 ~大平知佳先生インタビュー(続編)~
AIと働く「Excel・業務効率化」は、何が変わって、何が残るのか ~Excel講師・業務改善の実務家 大平知佳先生インタビュー~
オンライン研修の講師を依頼するには?外部講師の探し方・手配の流れと費用
ライブ研修のメリットとは?録画型・集合研修との違いと成功に導く3つのポイントを徹底解説
内定者はオンラインでも満足度を高められる!内容・実施時期の目安と内定辞退を防ぐ4つのポイント
【2026年最新】Microsoft Copilot研修を法人で成功させるには?失敗しない研修会社の選び方
新入社員フォローアップ研修とは?秋実施のねらいと効果的な内容
【2026年最新】生成AI研修のおすすめ会社を比較!失敗しない選び方のポイント
生成AIリテラシー研修を全社で実施するには?数百人規模で底上げする5つのステップを徹底解説
企業内大学、リスキリング研修、人材育成向けに、明日から使えるビジネススキル講座やチームビルディング研修をオンラインLIVEセミナー形式で提供しています。豊富な実績と高い指導力を兼ね備えた安心の講師陣が、効率良くインタラクティブな学習を企業の社員向けに提供します。
見逃し動画アーカイブオプションあり!ポータブルビジネススキル、仕事効率化から、デジタル活用法やテレワークコミュニケーションまで、DX時代に有用な豊富な講座のラインアップを用意。
新卒研修、企業内大学、労働組合セミナーなどにもお役立ていただけます。
お問い合わせはこちら
企業内大学のシリーズ講座に
企業内大学の立ち上げ、さらなる研修コンテンツの拡充にもご活用いただけます。企業様のテーマに合わせて自由に組み合わせることも可能です。
リスキリング/DXの研修に
リスキリングやDX推進に向けて、AIをはじめ、ITやデザイン等、業界トップランカーによる業務に直結した実践的なスキル研修としてご利用いただけます。
組織の生産性向上に
テレワーク導入中の組織において、オンラインを活用したコミュニケーションの活性化、生産性向上のスキル向上にご活用いただけます。
実力派講師が登壇
ビジネスの第一線で活躍した実務者でもある高新人の中から受講者の評価が高い選りすぐりの講師が登壇します。
ベストセラー著者も在籍
ビジネス書から実用書まで、ベストセラー著者も在籍しています。あの著者のセミナーに直接受講できるのもオフィスクの魅力です。
豊富なオンライン登壇実績
オンラインセミナー経験が豊富な講師陣が多数在籍。オンラインでもグループディスカッションからQ&Aまで対面の研修と同じクオリティの研修をご提供いたします。
講師一覧を見る
明日から使えるスキル研修ならオフィスク
研修に関するお問い合わせ、資料のご請求はこちらから承っております
お問い合わせはこちら